子供の時期のスポーツ・運動の指導について
子供の習い事を探している方、走るのが苦手という方、スポーツに活かしたい方向けに記事を書いています。
子供の時期にどういった行動をすれば運動神経が高まるのか。
指導者はどういった指導をするべきかがわかる内容になっています。
能力が高いプロアスリートは幼い頃から何かしらのスポーツの習い事をしています。
スタッフの2人とも子供の頃に野球、サッカーその他色々なスポーツの習い事をしていたのもありますし、
周りの実業団や日本代表選手もスポーツの習い事をしていました。
個人、リレーで日本一の経験有り。
4歳〜12歳のプレゴールデンエイジからゴールデンエイジの時期に運動をさせておく事が大事になります。
この時期は子供の感性を磨き、
可能性と才能を開花させるならこの時期を活かすべきです。
この時期は神経系の発達が著しく、
取り組んだことほとんど全てが出来てしまうという「魔法の年齢帯」です。
本来は少しずつ定着していく技術や感性も、この時期には驚くほどのスピードで体得が可能で、
また一度できてしまうと大人になっても忘れないとされています。
この時期にたくさんの感覚と技術、
たくさんの経験を積むことが後になって大きな財産になるのです。
もちろん子供が楽しいと思い継続出来るスポーツがいいですね。
また、放課後の時間の使い方だったり睡眠時間、朝の食事によっても運動能力が変わります。
是非、この記事を読んで子供の習い事だったり生活を変えてもらう事で子供の運動神経を高めて貰えたらいいと思います。
人の発育・発達段階
人の成長段階は年齢に応じて幼児期–児童期–思春期–青年期を経て成人期に至りますが、女子と男子の成長を比べると、女子の成長は男子よりも2年早いという特徴が見られます。
つまり女子の方でが男子よりも早く思春期を迎えるということです。
また、13歳までの時期は男子では児童期から思春期前半、女子では児童期後半から思春期にあたります。
次に、年齢による身長(発育)の増加割合を示したものです。
身長は、生まれてまもなく思春期(12~14歳頃)に大きな伸び率を見せます。
そして後者を思春期スパークと呼んでいますが、男子は14歳頃、女子は12歳頃になります。
しかし、このスパーク期は個人差が大きく、男子では早い子で12歳、遅い子で16歳とされていますし、女子の早い子は10歳、遅い子は14歳とされています。
ここで注目したいことは、身長の伸びは全身一律ではなく、発育段階によって成長の著しく部位が異なるということです。
例えば思春期までは脚部の伸びが著しいのでそれだけ弱く傷つきやすいという事です。
よってトレーニングにおいて、脚部に大きな外力が加えられたり、使いすぎたりすれば外傷・障害を引き起こしてしまうことになります。
この時期における脚部の損傷損害が身長の伸びやその後のスポーツ・陸上競技活動を行っていく上で、大きな痛手となることがあるので、十分に気をつけなければなりません。
近年、子どもの転倒によるケガが増えているようです。
その原因として考えられるのは、昔は公園遊びなどで運動能力が自然と身についていたものの、近年は外遊びが減ったことなどから身体全体を動かしたり、身体への衝撃を受けたりなどの体験が少なくなり、基本的な運動能力が養われていない子が多いからです。
また、スポーツに打ち込んでいる子どもでも、幼い頃から特定のスポーツだけを行っているケースが多く、幼少期から専門競技に特化してしまうと、そのスポーツで使う身体の動きは上達しても、それ以外の基本的な運動能力が発達していないというケースもあるでしょう。
「スキャモンの発達曲線」という、子どもの成長過程における器官・機能が発達する時期を曲線で示したものがあります。「一般系」「リンパ系」「生殖系」「神経系」の4つに分けられ、ゴールデンエイジと呼ばれる時期はスキャモンの発達曲線でいう「神経系」の発達が著しい時期。およそ、12歳までにほぼ完成するといわれています。
<スキャモンの発達曲線>
また、児童期から思春期前半までの発達の特徴として神経系の伸びの著しいことが挙げられます。
中でも9〜12歳はゴールデンエイジ期と呼ばれ、技術取得が容易に行える時期だとされています。
以上で述べてきたように、正しく効果的な指導を行うためには、人の成長段階やその特徴をよく理解していくことが必要です。
走るパフォーマンスに関係のある所のみ入れています。
運動部・スポーツクラブに所属の有無での差も凄く出ます。
昔と今では遊びの時間や質が大きく変わっています。
15年前までは公園などの遊びがゴールデンエイジ期に必要な運動であり、自然に体の動かし方が身についた子供が多くて、ゴールデンエイジは昔は注目されていませんでした。
子供が外で遊んでいる1日の平均時間は、10年ごとに「15分程」減っていっています。
1981年 120分程度
2001年 90分程度
2021年 60分程度になるペースです。
※上記は子供が外で遊んでいる1日の平均時間です。
このままだと40年で1時間も外遊びの時間が減る可能性があります。
運動神経が良くなる外遊びは危険なこともあり、現在はできない風潮なので、運動の代わりとなるような遊びではできないでしょう。
なので「アスレチック施設」に行ったり、色々なスポーツを体験して、ゴールデンエイジに質の良い運動をおこない、運動神経を高めていきましょう。
身長を伸ばす事で運動能力が上がります。こちらで記事書いてます。
器用な子供を育てるために
器用な子供を育て育成するためには4〜9歳頃が大切です。
器用であるということは、大脳からの命令が筋肉にうまく伝わることですが、この仕組みが最も発達するのが4〜9歳頃です。
器用な子供を育成するためには、この時期に様々な動き➖直立性姿勢の動き、変形姿勢の動き、高低移動の動き、物を持った動き、動きに対応した動き(相手、ボール、リズム、縄跳びなどに対応)➖をまんべんなく身につけることが必要となります。
以上の動きの中で「動きに対応した動き」は4歳で活発になり、6〜7歳で急速に伸びるとされています。
この時期に相手の動きに対する反応、リズム運動、なわとびなどによる様々な動きを作りを行うことが大切です。
プレ・ゴールデンエイジ期
5〜8歳は「プレ・ゴールデンエイジ期」と呼ばれています。
この時期は、次に来るゴールデンエイジ期(9〜12歳頃)の前段階として大切な時期です。
この時期は様々な動き作りやスポーツ・運動を行うことによって、神経系の配列をできるだけたくさん作っておくことですし、特にスポーツに関連した動作の習得や調整力(リズム、バランス、タイミング、協応性など)を養成しておくことです。
神経系は筋系や呼吸・循環器系と違って、トレーニングや運動経験によって一度神経経路が作られると、その後ほとんどトレーニングを行わなくても消失しにくいものです。
例えば、自転車や鉄棒(逆上がりなど)、スキーやスケートなどのように一度覚えると久しぶりに行ってもすぐできるのは、神経経路ができているからです。
よって早い時期に運動やスポーツに関する基礎的な動作やスキルを獲得しておくことが必要です。
昔は自然の中での遊びや様々な戸外遊びによって種々の動きやスキルを身につけることが出来ましたが現在では環境が大きく変化し、子供たちが野外・戸外遊びを行うことが少なくなったため、遊びによって種々の動きのパターンを身につけることが難しくなっています。
そこで今の子供たちにはそれを補うための様々な動きやスキルを身につけさせるための指導が必要になってきます。
ゴールデンエイジ期
プレ・ゴールデンエイジ期に続いて「ゴールデンエイジ期」を迎えます。
年齢的には9〜12歳頃がこの時期にあたります。
この時期は技術取得が容易に行える時期であることからゴールデンエイジと呼ばれているわけです。
この時期は動きやあらゆるスキルの取得が容易に行える生涯唯一の絶好機であるというわけです。
よって指導者はこの時期を見逃してはならず、種々のスポーツやゲームを行わせたり、陸上競技の走・跳の様々な動きやスキルを正しく身につけさせるよう指導することが必要となります。
この時期におけるスポーツや陸上競技の多種目の技術の取得は、後になって専門種目の技術を向上させる上で非常に役に立つことになります。
ゴールデンエイジ期の10~12歳の時期に様々な動作をおこなうと、脳が刺激されて運動神経が大幅に発達していきます。
この時期は初めてチャレンジする動作でも、
・習得が早い
・コツをつかみやすい
・手本を見ただけで真似ができてしまう
ことがあります。
ゴールデンエイジ期に習得した動作は、大人になったも落ちないという特徴があり、体が覚えているので時間が経ってもできます。
実は運動神経は「12歳」までに作られたものなんです。
ゴールデンエイジ期を逃さないようにしましょう。
では、運動神経がいいとは?
小・中学生時代を振り返ると“運動神経が良い子=スポーツ全般ができる子”を指していたのではないでしょうか。
運動神経にもいろいろな種類があり、全部ができる子もいれば何かに特化して得意な子もいます。
また“運動神経は親から子に遺伝する”という認識を持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際は遺伝的要素と同程度に子どもが育つ環境が影響を及ぼしていると考えられています。
一般的に“運動神経”といわれるものは、「コーディネーション能力」と関係しています。コーディネーション能力とは、自分の体を動かす能力のことで、この能力を鍛えることで運動に好作用をもたらします。
運動神経を左右する7つの能力とは
リズム能力・バランス能力・変換能力・反応能力・連結能力・定位能力・識別能力の7つの能力をコンディネーション能力といいます。。
- リズム能力
対象が動くタイミングをつかみながら、自身が動く力のこと。 縄跳びもまたリズム能力を問われる運動の一つで、縄を回すタイミングと跳ぶタイミングを合わせることが上達のポイント。上手に跳べない子どもの多くは、縄の回転とジャンプをするタイミングがずれることによって縄が足に掛かってしまいます。 - バランス能力
体の重心が移動しても、自分の姿勢を正しく保つ力のこと。崩れそうになった体の状態を戻す能力です。歩いている時に何かにつまずいて姿勢を崩してしまった時、転ばないように自分の姿勢を元へ戻すことも関連しています。バランス能力は、多くのスポーツで活用されています。 - 変換能力
周囲の状況に合わせて動きを切り替える力のこと。道を歩いていて前から来る自転車とぶつかりそうになった時、自分が歩きながら進路を少しだけずらし、ぶつからないようにするといった能力です。 - 反応能力
さまざまな刺激に対して反応する力のこと。何らかの合図に対し、素早く動作で反応する能力です。反応能力を整えることで、陸上競技のスタートダッシュなどの質が高まります。 - 連結能力
一つの動きに同調し、滑らかに体を動かす力のこと。関節や筋肉の動きを、良いタイミングで同調させる能力です。 - 定位能力
自分の位置や相手の位置を正確に把握する力のこと。道を歩いている際、電柱やガードレールといったものと自分との位置関係を把握する能力です。 - 識別能力
道具を上手に操作する力のこと。道具を使用するスポーツでは、この力を伸ばすことで好作用をもたらします。
コーディネーション能力がどういったものかを理解しても、それをどのように生かすのか分からなければ意味がありませんよね。コーディネーション能力はゴールデンエイジはもちろん、時期を過ぎてしまってからでも高めることは可能です。
ゴールデンエイジ後の苦手種目の克服法
「ゴールデンエイジを逃してしまった!」「運動神経が悪いかも…」と感じていても、運動全般を諦める必要はありません。
オリンピック選手やプロスポーツ選手を目指すのであれば少し話が違ってきますが後からでも十分、挽回は可能なのです。
子どもの発達・成長はどの段階であっても、良いとされるものに取り組むことにはプラスの面があります。
もちろん、ゴールデンエイジのように吸収しやすいタイミングの方が効率よく行えますが、それ以外の時期でもコーディネーション能力を意識したトレーニングを行えば着実に進歩はしますし、進歩のペースが加速することもあります。
しかし、注意したいのはあまりにもトレーニング色を強くしないこと。過酷なトレーニングでは、子どもが運動嫌いになってしまう可能性があります。
子ども時代に運動が好きだった人は、大人になってからも運動が好きで定期的に運動に取り組む人が多いといわれています。
逆に、子ども時代に運動が嫌だと思った人は大人になってからも運動に親しむことが少なくなります。
子ども時代に運動を“楽しむ”ことは、その人の生涯においてとても意味のあることとなります。
ここからは、具体的に種目ごとの特徴と練習方法をを紹介したいと思います。
遊び
コーディネーション能力は、遊びの中でも鍛えることが可能です。昔からの遊び、鬼ごっこ・ケンケンパ・ゴム跳び・竹馬などがそれにあたります。
例えば鬼ごっこの場合は、さまざまな動きが含まれています。遊びの中で、コーディネーション能力が自然と鍛えられるのです。
今の子どもは遊びの内容もそうですが、遊ぶ環境が整いすぎていることもありコーディネーション能力を鍛える上ではマイナスとなっている側面も…。
例えば「公園での球技禁止」など、子どもの遊びに制限が掛けられていることが少なくありません。
都市部での遊ぶ場所が少ないことも問題ですが、地方部での少子化による学校の閉校なども影響を与えています。
学校が遠くなり、バスでの通学になると友達と遊ぶ頻度は減ることになります。
そういった子どもの遊ぶ場所にまつわるさまざまな問題も、子どもの発育に影響を与えているのです。
もちろん、ゲームの人気で子どもの遊び方が変わったことも大きな原因といえるでしょう。
ゴールデンエイジは、子どもが効率よく能力を伸ばすことができる時期。
しかし、その時期を逃したからといって諦める必要はありません。どのタイミングであっても、運動に親しむことは子どもの能力を高めることにプラスに働いていきます。
運動が嫌い・苦手という子どもなら、まずは運動することが好きになるように親子で運動を楽しむ時間を作るのも良いかもしれません。
ポスト・ゴールデンエイジ期へ
「ポスト・ゴールデンエイジ期」の13歳頃はホルモン(成長ホルモン、性腺ホルモン)の多量な分泌により、思春期を迎えます。
また、身長のスパーク期と一致するので、十分な栄養や睡眠をとり、発育を最大限重視するとともに、柔らかく弱い骨や関節を酷使しないよう考慮配慮してトレーニングを進めることが必要です。
さらに13歳〜14歳頃までには速筋線維の発達に伴い、敏捷性が急激に発達します。
また呼吸・循環器系機能も発達しますので持久力の養成においても効果的な時期となります。
以上述べたようにポスト・ゴールデンエイジ期は様々な身体的変化が起こる中で、
身長のスパーク期がほぼ終了するために、女子では13歳〜14歳頃から男子では16歳頃から筋力・パワーを養成するウエイト・トレーニングが導入できるようになります。
その結果、今まで取得した技術をより速く、よりパワフルに行えるようになり、一気にパフォーマンスが高められます。
なお13歳頃の動作取得のレディネス曲線の落ち込みはクラムジーと呼ばれる一時期の現象を示しています。
この時期は身長が急激に伸びるために体の支点・力点・作用点に狂いが生じ、動きや技術にぎこちなさが出てくるというものです。
そうしたときには焦らずしっかりと動きの修正や調整を図る必要となります。
ところで、ポスト・ゴールデンエイジ期は13〜15歳頃の身長急伸(スパーク)期から始まり、16〜18歳頃の身長急伸期以降へと移ります。
そして、身長の伸びがほぼ停止する発育完了時期、(19歳以降)はトップ競技者を目指して本格的な厳しい専門種目のトレーニングを中心に実施していくことになります。
体がしっかりと作られる時期です。骨格や筋力の著しい発達、スピードやパワーが備わってきます。また、戦術的な理解が深まるため、試合などを振り返り理解を高めていくことができるようになります。
しかし、新しい技術の習得などにはあまり適していない時期でもあります。新しい技術の習得を目指すよりも、それまでに習得した技術を維持し、さらに高めることに力点を置くと良いでしょう。
走り方を子供のうちに習得することは、子供から大人までメリットしかありません。
陸上競技をしても、その他のスポーツをしても、走り方を知っていると応用できる場面が多く、スポーツを長く継続するのであれば、必ず走り方は必要となります!
・スポーツの土台作りができる身体の使い方
子供達の成果を出すことは、どの指導者も簡単です。ですが、小学生で成績のピークを持ってくるのか、中学生以降で成績のピークを持ってくるのかでは、指導方法やトレーニング内容が全く違います。
小学生でワンパターンの動作やトレーニングを行なっていると、中学生以降では行ってきた動作しかできず、伸び悩んだ時にフォームの改善などが難しくなります。
それと怪我などでもモチベーションが保てず、長くスポーツを継続することも難しい場合が多いです。
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